(1) 食品リサイクル法の概要
「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、通称「食品リサイクル法」とは、食品の売れ残りや食べ残しにより、または、食品の製造過程において大量に発生している食品廃棄物について、発生抑制と減量化により最終的に処分される量を減量させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再生利用するため、食品関連事業者(製造、流通、外食等)による食品循環資源の再生利用等を促進するために平成13年5月施行した法律です。
食品リサイクル法における用語の定義 |
食品 |
飲食料品のうち薬事法に規定する医薬品又は医薬部外品以外のもの。 |
食品廃棄物等 |
食品が食用に供された後に、又は食用に供されずに廃棄されたもの。
食品の製造、加工又は調理の過程において副次的に得られた物品のうち食用に供することができないもの。 |
再生利用 |
食品廃棄物等のうち自ら又は他人に委託して食品循環資源を肥料、飼料その他政令で定める製品の原材料として利用すること、又は利用するために譲渡すること。
ここで言う「再生利用」には、「飼料」「肥料」「油脂及び油脂製品」「メタン」のいずれかとして利用、又は利用する者に譲渡することと定義。 |
食品循環資源 |
食品廃棄物であって飼料・肥料等の原材料となるものなどの有用なもの。 |
再生利用等 |
再生利用、発生抑制、減量(乾燥・脱水・醗酵・炭化) |
発生の抑制 |
食品廃棄物等の発生を未然に抑制すること。 |
減量 |
食品廃棄物等の量を脱水、乾燥等の方法により、減少させること。 |
(2) 食品廃棄物の分類
食品廃棄物の分類 |
@
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産業廃棄物
食品製造業から排出 |
A |
一般廃棄物
(ア)事業系 → 食品流通業及び外食産業から排出
(イ)家庭系 → 家庭から排出 |
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産業廃棄物と一般廃棄物ついて
上記のように、産業廃棄物と一般廃棄物の分類がされますが、産業廃棄物の取り扱いは、産業廃棄物法上の許可が必要で、各都道府県知事(保健所政令市は市長)の許可が必要となっています。たとえば、千葉県では、千葉県と千葉市、船橋市に別れていて、それぞれの区域で取り扱うのであれば、それぞれの管轄庁の許可が必要ということになります。
また、一般廃棄物の取り扱いについては、市町村長の許可が必要となります。
そこで、食品廃棄物を取り扱い、再生利用を行う場合、全ての取り扱いを可能とするためには、一般廃棄物及び産業廃棄物の許可がそれぞれ必要とされます。
肥料や飼料として再生利用する場合には、中間処理施設の許可も必要とされます。
なお、参考ですが、排出事業者から有価で購入した場合、産業廃棄物には当たらないという解釈がありますが、環境省の廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課では、これに加え、「単に有償か無償か、廃棄物か否か、で決まるのではなく、その物の性状や最終的な取り扱われ方などを総合的に判断しなければならない」と説明していることからも、各都道府県の判断も多少異なる点に注意が必要です。
飼料・肥料等へのリサイクル事業を計画する場合は、食品リサイクル法の登録再生事業の特例を検討するのはもちろん、各都道府県等に事前にご相談することをお勧めします。
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(3) 食品関連事業者
食品関連事業者の例 |
食品の製造・加工業者(食品メーカーなど)
食品の卸売・小売業者(百貨店・スーパー・コンビニエンスストア・八百屋など)
飲食店および食事の提供を伴う事業を行う者
(食堂・レストラン・ホテル・旅館・結婚式場・内陸・沿海旅客船舶など) |
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食品関連事業者かどうかの区別
「食品リサイクル法」Q&Aに出ていましたが、運営を外部の事業者が担っている場合でも、医療や教育と一体不可分の行為とみなされる場合は、食品リサイクル法の対象とならない、として区別しているようです。加えて、法の対象となるか否かは、給食の提供が、法令に書かれている「小売」や「飲食業」とみなされるような形態かどうかで判断されるようです。 |
(4) 再生利用等への取り組み
食品リサイクル法では、再生利用等に取り組む際の優先順位が定められています。
第一に、「生産」、「流通」、「消費」の各段階で食品廃棄物そのものの発生を抑制します。次に再資源化できるものは「肥料」や「飼料」などへの再生利用を行うことになります。最後に、廃棄されるものは、「脱水」・「乾燥」などで減量して処分がしやすいようにします。
食品廃棄物の年間排出量100トン以上の事業者は、平成18年度までに再生利用等の実施率を全ての食品関連事業者が20%以上に向上させることが目標とされています。
再生利用等への取り組みが不十分な場合は、勧告、公表、命令を経て、罰則が適用されることになっています。
平成18年度までに実施率20%以上を達成するということは、平成18年度に100トンの排出量があるとするならば、そのうち20トンは「発生の抑制」「再生利用」「減量」などで排出を抑制するということです。
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「発生の抑制」とは?
自社の従来との比較「従来の方法だと20トン排出されたものが、改善により10トンに減少した」、一般的な発生量との比較「一般企業だと20トン排出されるものが我々のやり方だと10トンである」など比較対象として形で評価します。自社の以前と現在との比較や他社との比較などにより、両者の差が達成された量で評価します。なお、従来との比較では食品リサイクル法がスタートした平成13年度を基準にするのが原則となるようです。 |
食品リサイクル法では、事業所ごとではなく、事業者単位で目標を達成します。したがって、事業者全体で20%以上達成すれば良いことになっています。
年間20トン排出する事業所が5ヵ所ある場合、この事業者の年間排出量は100トンになり、罰則が適用される事業者になります。
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