(1)NPO法人とは
NPO法人とは特定非営利活動促進法で定められており、その第1条で「特定非営利団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」と規定されています。
非営利団体とは、株式会社などの営利法人のような利益の分配、すなわち株主に配当をするような団体ではなく、社員(従業員としての社員ではない)に利益を分配しない法人のことをいいます。
しかし、収益事業が全く禁止されているというのではなく、「その他の事業」として収益活動を行うことも可能です。この部分がNPO法人の魅力的なところでもあるかもしれません。
ボランティアのような公益事業を主とする団体でも、これを維持継続していくためには何らかの収益を得なければ続けていくことは困難です。
したがって、制限はありますが、この主とする公益事業に支障がない限り、その他の事業として収益活動を行ってもよいということです。これらの収益を本来の目的である公益事業に投入し公益事業の維持継続を行うことを可能とする法人の形態なのです。
また、社会貢献的な活動を行っている、もしくはこれから行う予定をしている団体に法人格を付与することで、団体の活動を法人として行うことができ、個人では不都合であった契約・口座名義など、原則として法人名義で行うことができるようになり、法人格付与前の不都合な法務手続が解消されます。
(2)NPO法人の活動内容
NPO法人を設立するには、17種類の活動内容に該当し、かつ、その目的・趣旨を明確に定めなければなりません。
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保健、医療又は福祉の増進を図る活動 |
A |
社会教育の推進を図る活動 |
B |
まちづくりの推進を図る活動 |
C |
学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 |
D |
環境の保全を図る活動 |
E |
災害救助活動 |
F |
地域安全活動 |
G |
人権擁護又は平和の推進を図る活動 |
H |
国際協力の活動 |
I |
男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 |
J |
子供の健全育成を図る活動 |
K |
情報化社会の発展を図る活動 |
L |
科学技術の振興を図る活動 |
M |
経済活動の活性化を図る活動 |
N |
職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 |
O |
消費者の保護を図る活動 |
P |
前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 |
平成15年5月に法律が改正され、従前の12種類の特定非営利活動が17種類に増えたということは、それだけNPOの活動の領域が広がったとともに、NPO法人の必要性と要望が反映されたからということでもあります。
これら17種の中から活動する内容を選択し、当該NPO法人の目的を達成するための事業を具体的に決めることになります。
(3)NPO法人の設立にあたっての注意点
NPO法人は、株式会社などのような出資者に利益を分配するものではないので資本金というものがありません。NPO法人では、特定非営利活動の目的達成の為に賛同する人、すなわち社員を10名以上必要をします。これらの者が主導となり、法人を設立していくわけです。
設立は、所轄庁の認証を受けることから始まり(およそ申請書類受理後2ヶ月の縦覧期間、縦覧期間経過後2ヶ月内に認証か不認証かが決定される)、法務局での設立の登記をし、登記後の書類を添付して所轄庁に設立登記完了届出書を提出することで完了です。
その後、原則、定款変更事由があれば所轄庁の認証、これが登記事項であれば法務局への登記が必要となり、また毎事業年度始めの3ヶ月以内に必要書類を添えて事業報告等提出書を所轄庁に提出といった手続きが必要となります。
(4)NPO法人化の利点
法人化する利点は、その団体によってさまざまであるのはいうまでもありません。
しかし、共通して言えることは、上述しましたように、原則として、法人名義での活動ができること、法人と個人とが分化すること(個人が法人の保証人になることはあります)、収益事業を行いながら特定非営利団体の活動を維持継続していくことができることなどがあげられます。
逆に原則として税金面は法人と同様の義務を負います。
NPOという言葉は、新聞・テレビで取りざたされ認知度も上昇しているため活動する上では法人化したい団体も多いでしょう。しかし、NPO法人は、あくまでも非営利団体であること、その活動に支障がない限り収益事業を行うことができるということなので、根本的に営利を求めているのであれば株式会社、有限会社などの営利を目的とした会社形態にして事業を進めていくべきでしょう。
たとえば、介護保険事業の指定を受ける場合など、法人格があることが要件とされており、この法人格を取得するためにNPOで取得するのか、もしくは株式・有限会社で取得するのかで法人の形態が異なるということです。
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